海の見える街

フランス・フランス語好きの社会人受験生による備忘録。2017年春ニース語学留学・プロヴァンス地方一人旅の記録、短期留学後の日常、長期留学に向けてのあれこれ。「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」(梨木香歩「西の魔女が死んだ」)

海の見える街、やっと到着

地元を出発してから実に30時間以上。ドバイからおよそ5時間のフライトの後、ニースに到着。なんと雨。

そんな残念な空の下でも、地中海はターコイズが溶け出したように爽やかな水色。市街地から郊外まで立ち並ぶ家々は、屋根や壁がオレンジや黄色、赤茶に塗られているものが多い。

太陽の光がさぞ似合うだろうと思う。

 

いつもは太陽が見えるんだ。もっときれいなんだ、今日は雨だけど。

空港まで迎えに来てくれたホストファザーのMarcは車中、晴れた地中海の水の青さと明るさについて、力を込めて話してくれた。

 

潮騒が響き、太陽の光が降り注ぐ日のこの街はきっと、宝石よりうつくしい。窓の高さをカモメが飛んでいく。
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ホストマザーであり私のフランス語の教師であるJanetteが、Marcと私に作ってくれた遅い昼食。トマトソースのシーフードパスタ。すごく美味しい。
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昼食後にはJanetteが用意してくれたフランス語のテストを50問。正解できたのは25問。うーん。

比較級とか条件法とか、動詞の活用とか、覚えなきゃいけないものが抜けてる。

読むのが上手ね。と褒め上手なJanette。Merci, 文法と単語も頑張ります。

 

私が飼い犬のCocoに仲間として認定され、Marcの娘のNicolaが遊びにきたところでティータイム。Nicolaは二人の子どものママ。30歳過ぎくらい? 今の恋人からプロポーズされたんだとか、家でも犬を飼いたいな、でも猫もいいよねとか。たぶんそんな感じの話を、Marcと父娘の口喧嘩のようなノリでしていた。

私は自分が飼っていた柴犬と、今飼っている猫三匹についてNicolaと話した。スマホにある写真を見せると、どの子もとってもきれい、かわいいと言ってくれた。そんなNicolaがきれいでかわいい。

そうして一時間くらいお茶を囲むと、Nicolaは黒い革ジャンをかっこよく羽織って帰っていった。

 

Nicolaに続いてMarcがどこかへ出かけて、Janetteと二人。洗濯やシャワーについて確認。そのあと、私の家族についてだとか、簡単なフランス語で会話をした。そしてCocoを車の後部座席に乗せ、ニースの街をドライブ。現代美術館。マセナ広場。丘の上に見えるシャトー

ニースは午後8時をまわってようやく薄暗くなる。表通りの店の灯りが雨に濡れた道路をきらきら光らせる。

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ドライブから帰宅して、シャワーを浴びる(階下に物音を響かせないよう、バスタブにしゃがんで慎重に髪や体を洗った)。明日何時に起きるか、何時に何を食べるか決めて、私はJanetteにBonnuit.を言った。Marcはいったいどこに何の用事で出かけているのか、なぜ日付が変わる今も帰ってこないのか、わからない。聞き取れなかった言葉を置いて、私のホームステイの一日目はこうして終わっていく。

 

テストの復習も明日の予習もないし、しないし、わからないことはわからないままだ。けれど、7時半に起きて8時にパンとチーズを食べること、フランス語の勉強をすること、そしておそらく晴れることは決まっている。

 

そんなゆるやかな時間の流れの中で、一週間生きていく。